ASDに向いている仕事:特性を活かせる職種と選び方のポイント
あなたはASDの特性を持っていて、どんな仕事に就くべきかと悩んでいるのではないでしょうか。ASDの特性を持っていると向いていない仕事もありますが、逆に特性を活かすことができる仕事もたくさんあります。
この記事ではASDの人の特性や、向いている・避けたほうがいい仕事を紹介します。
ASDの方で、仕事で悩んでいる方はぜひ参考にしてください。
目次 [開く]
ASDの症状と特徴
まずは、ASDの症状と特徴について確認しておきましょう。
ASDには、次のような特徴があります。
・対人関係が苦手
・強いこだわり
・感覚過敏・鈍麻
それぞれどのような症状なのか解説していきます。
対人関係が苦手
ASDの人には、対人関係が苦手という特徴があります。
ASDの人は人とのかかわりが苦手という特性があるからです。
普通の人と比べると、空気を読む事や比喩の理解ができなかったり、相手の気持ちの理解などが苦手だったりすることがあります。
また、自分自身も表情の変化に乏しい、話し方が一本調子になってしまうなどの特性が出やすいため、コミュニケーションを取る相手からも理解してもらいにくいです。
強いこだわり
ASDの人の特徴として、強いこだわりがあります。
具体例として、物事が自分が思うように行かないと気が済まない、特定の事が気になって他のことが疎かになってしまうなどがあります。
気になっていることが白黒ハッキリしないと気が済まないという人もいます。
感覚過敏・鈍麻
ASDの人には五感が過敏・鈍麻な人がいます。
どの感覚が過敏・鈍麻かは人それぞれです。
例えば、聴覚が敏感すぎて少しの物音でも気になってしまい、やるべきことに集中できないという人もいます。
また、逆に触覚が鈍麻すぎて怪我をしていても気がつかないという人もいます。
ASDの人に出やすい感覚の過敏・鈍麻は、日常生活や仕事などさまざまな状況に影響が出ます。
ASDの人が苦手なこと
ASD人は、一般的に次に挙げるようなことが苦手なことが多いです。
・コミュニケーション
・臨機応変な対応
・マスクやサングラスなどの着用
それぞれどうして苦手なのか解説していきます。
コミュニケーション
ASDの人は、コミュニケーションが苦手という特性があります。
ASDの人は人の気持ちを想像することが苦手なので、コミュニケーションも苦手になることが多いです。
コミュニケーションは、仕事によってはメイン業務に関わる場合があります。
ASDの人は、コミュニケーション重視の仕事は避けた方がいいでしょう。
臨機応変な対応
ASDの人は、突発的な出来事に対する対応が苦手という特性があります。
ルーティンワークが得意な反面、ルーティンにない行動が必要になるとパニックになってしまう人もいます。
仕事の中には常に臨機応変な対応を求められるものがあります。
ASDの人は、臨機応変な対応が多い仕事は避けたほうがいいでしょう。
マスクやサングラスなどの着用
ASDの中には、五感のうち特定の者が非常に敏感な人がいます。
触覚が敏感な人は、マスクやサングラスなどを付けるのを不快に感じることがあります。
例えば、食品を扱う工場などではマスクの着用が必須なことが多いので、避けたほうがいいでしょう。
他にも、自分が敏感・鈍麻な感覚に関する事柄がある仕事は避けたほうが無難です。
ASDの人が得意なこと
ASDの人には、苦手なこともありますが、得意なこともあります。
・ルーティンワーク
・自分を貫くこと
・自分の興味を追求すること
ASDの人が得意なことについても解説していきます。
ルーティンワーク
ASDの人は、ルーティンワークが得意なことが多いです。
複雑な作業であっても、流れが分かっていると正確に実行できる傾向にあります。
また、こだわりが強いため、同じことを繰り返し行うルーティンワークに向いています。
ルーティンワークをメインとする仕事は、ASDの人にはおすすめです。
自分を貫くこと
ASDの人は、強いこだわりがありますが、良く取ると自分を貫くことができます。
ASDの人の特徴として、周りに合わせたり、空気を読んだりすることが苦手であるということがあります。
しかし、それを裏返すと周りに流されず行動できるということでもあります。
自分の興味を追求すること
ASDの人は自分の好きなことには熱中できるという特性があります。
興味関心がある分野であれば、探求心を持って仕事に取り組むことができます。
ASDに向いている仕事:特性を活かせる仕事とは?
自閉症スペクトラム(ASD)は、コミュニケーションや社会的な相互作用、興味や活動の範囲において、特有の特性を持つことから、仕事選びにおいても、これらの特性を理解することが重要です。ASDの特性は必ずしも「欠点」ではなく、むしろ「強み」として活かせる仕事も数多く存在します。例えば、細部にまで気を配る丁寧さや正確さ、特定の分野への強い興味や集中力、論理的な思考能力などは、多くの職場で役立つスキルです。本記事では、ASDの特性を活かせる仕事について、具体的な例を挙げながら詳しく解説して行きます。
アスペルガーの特徴を活かせる仕事:得意分野を見つける
ASDの特性は人それぞれ異なりますが、アスペルガー症候群の特徴として、特定の分野への強い興味や集中力、正確で丁寧な作業、独自の思考回路などが挙げられます。これらの特徴は、適切な仕事選びによって、大きな強みとなり得ます。例えば、興味のある分野に特化した専門的な仕事や、細心の注意を要する作業、論理的な思考力や分析力が必要とされる仕事など、アスペルガーの特性と親和性が高い仕事は数多く存在します。
自分自身の興味や得意分野を把握し、それを活かせる仕事を探し出すことが、ASDの人が仕事で成功する上で非常に大切です。興味のある分野を深掘りし、その分野の専門知識やスキルを磨くことで、周りの人とは違う独自の価値を生み出すことができるでしょう。
また、アスペルガーの人は、こだわりやルールに強い傾向があるため、ルーティンワークや規則正しい仕事に向いているケースも少なくありません。自分の特性と仕事の性質を理解し、自分に合った働き方を見つけることが重要です。
ASDの人が向いている職業
ASDの人には、得意なことを活かすことができる向いている仕事があります。
向いている仕事の例は次の通りです。
向いている理由などをさらに詳しく解説していきます。
データ入力、事務処理
正確で丁寧な作業を得意とするASDの人は、データ入力や事務処理などの仕事に向いています。これらの仕事は、黙々と作業に取り組むことができ、コミュニケーションを必要とする場面が少ないため、ASDの人にとって働きやすい環境といえます。
プログラマー、システムエンジニア
論理的な思考力や集中力を活かせるプログラマーやシステムエンジニアは、ASDの人にとって最適な職業と言えるでしょう。これらの仕事は、コミュニケーションよりも技術力や専門知識が重視されるため、コミュニケーションに苦手意識があっても、自分の能力を存分に発揮することができます。
デザイナー、イラストレーター
創造性を活かしたい人にとって、デザイナーやイラストレーターなどの仕事は魅力的です。これらの仕事は、自分の世界観を表現する機会が多く、コミュニケーションよりも作品で評価されるため、ASDの人にとって働きやすい環境といえます。
研究者、分析者
専門分野に深く興味を持ち、集中力を発揮できるASDの人は、研究者や分析者など、知識や思考力を活かせる仕事に向いています。これらの仕事は、一人で黙々と研究や分析に取り組むことができ、コミュニケーションの機会が少ないため、ASDの人にとってストレスが少ない環境といえます。
ASDの人が避けた方がいい職業
ASDの人は、その特性から避けたほうがいい仕事もあります。
避けたほうがいい仕事は次の通りです。
それぞれ、避けたほうがいい理由について解説します
接客業
接客業はASDの人は避けたほうがいい仕事です。
なぜなら、お客さんへの対応がメイン業務であるからです。
また、ルーティンにはない対応が求められやすいという点もおすすめできないポイントとなります。
営業職
ASDの人が避けたほうがいい職業の2つ目は、営業職です。
営業職は、ASDの人が苦手なお客さんとのコミュニケーションが非常に重要だからです。
ASDの人が苦手な相手の気持ちを読み取ることや社会の暗黙のルールに従って動く場面が多いのも理由となります。
コールセンター
コールセンターの仕事もASDの人はあまり向いていない仕事です。
電話相手とのコミュニケーションがメインの業務だからです。
また、電話の相手がしゃべる内容への臨機応変な対応が求められます。ただし、マニュアルがしっかりとしている場合はルーティンワークなので、むしろ向いているかもしれません。
コールセンターの仕事は、ASDの人には不向きな仕事ですが、場合によっては適応できる可能性もある仕事です。
ASDの診断がついたら、トレーニングを行いできないを減らし、できるを増やそう!
ASDの診断がつくと、自分には出来ない仕事が多いのではないかと悩んでしまうかもしれません。
確かに、ASDの人が避けたほうがいい仕事もありますが、逆に向いている仕事もあります。
また、適性が分からない仕事でもトレーニングを行うことでできないことを減らして、できることを増やすことができます。
ASDの診断がついて、仕事のことで悩んでいるのであれば就労移行支援を利用するのがおすすめです。
就労移行支援では、仕事をするためのさまざまなトレーニングを受けられます。
就労移行支援に興味を持たれた方は、お気軽にご相談ください。
弊事業所でも、さまざまな特性を持った方がトレーニングを積んで社会へ出ています。
一人で悩まずに、ぜひ私たちと悩みを共有し、社会への一歩を踏み出しましょう。