
【投稿可】社会人基礎力の3つの能力と12要素を徹底解説!|学び直し完全ガイド

社会人基礎力の3つの能力(アクション、シンキング、チームワーク)とそれを構成する12の能力要素を網羅的に解説。具体的な鍛え方から、自身の強み弱み分析、効果的な学習計画の立て方まで、社会人基礎力を高めてキャリアアップを目指すあなたのための完全ガイドです。
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社会人基礎力とは?3つの能力と12の要素
「職場や地域社会で多様な人々と仕事をしていくために必要な基礎的な力」それが社会人基礎力です。この言葉は2006年に経済産業省によって提唱された比較的新しい言葉です。背景としては、人生100年時代とも言われるように、これまで以上に長くなる企業・組織・社会とのかかわりの中で活躍し続ける人材になるために必要な能力として定義されました。そして近年、企業が求める人材像として注目されており、就職活動やキャリアアップにおいても非常に重要な要素となっています。社会人基礎力は、大きく分けて3つの能力と、それらを構成する12の要素から成り立っています。以下の内容では能力と要素についてより詳しく解説しておりますので、ご自身のキャリアに役立てましょう。
社会人基礎力の定義と重要性
社会人基礎力とは、仕事や社会生活を円滑に進めるために必要となる基礎的な能力のことであり、単なるスキルではなく、仕事や人生を成功に導くための土台となるものです。近年、企業では、専門知識やスキルだけでなく、社会人基礎力を備えた人材の育成に力を入れています。なぜなら、社会人基礎力が高い人材は、変化の激しい現代社会においても柔軟に対応し、高いパフォーマンスを発揮できるからです。社会人基礎力を磨くことは、単に仕事で成果を出すためだけでなく、充実したキャリアを築き、より豊かな人生を送るためにも重要なのです。
3つの能力:アクション、シンキング、チームワーク

社会人基礎力は、「前に踏み出す力(アクション)」「考え抜く力(シンキング)」「チームで働く力(チームワーク)」という3つの能力に分類されます。それぞれが密接に関連し合い、互いに補完することで、個人の能力を最大限に発揮し、組織全体の成果につながります。これらの能力は、生まれ持った才能ではなく、ご自身で意欲的に学ぶことによって向上させることができます。それぞれの能力をバランスよく高めることで、真の社会人基礎力を身につけることができるでしょう。
12の能力要素
3つの能力をさらに詳細に見ていくと、12個の能力要素に分けられます。これらの12個の能力要素は、キャリアアップするために不可欠な要素であり、それぞれをバランス良く高めることが重要です。以下はそれぞれの具体的な能力要素です。
- 前に踏み出す力(アクション):一歩前に踏み出し、失敗しても粘り強く取り組
- 主体性
- 働きかけ力
- 実行力
- 考え抜く力(シンキング):疑問を持ち、考え抜く力
- 課題発見力
- 計画力
- 創造力
- チームで働く力(チームワーク):多様な人々とともに、目標に向けて協力する力
- 発信力
- 傾聴力
- 柔軟性
- 情況把握力
- 規律性
- ストレスコントロール力
「前に踏み出す力(アクション)」
「前に踏み出す力(アクション)」は、主体的に行動し、周囲を巻き込みながら目標達成へと導く原動力となる能力です。指示待ちにならず、一人称で物事をとらえ、自ら行動できるようになることが求められています。前に踏み出す力は、以下の3つの能力要素で構成されています。
- 主体性:自ら考え、物事に進んで取り組む力
- 働きかけ力:他人に働きかけ巻き込む力
- 実行力:目的を設定し確実に行動する力
主体性
主体性とは、物事を自分自身で考え行動することです。自ら課題を見つけ、他人の意見に左右されず、責任を持って行動ができます。自分の意見に自信を持ち、そのために積極的に学ぶことが重要です。
働きかけ力
働きかけ力とは、他人に働きかけ巻き込む力です。自らの行動や言葉、アイデアによって、他者のやる気を起こさせ協力を促したり、新たな価値観を生み出したりします。周囲に積極的に働きかけていくことで、協力を得てスムーズに物事を進めることができます。
実行力
実行力とは目的を設定し確実に行動し、最後までやり遂げる力です。アイデアや計画を考えていても、それを実行できないと何も変化が起きません。結果が失敗になったとしても、それは経験・知識となり次に成功させるための大きなヒントになります。
前に踏み出す力を高めるには、まず小さな目標を設定し、それを達成していくことが重要です。日々の業務の中で問題点を見つけ出し、自ら課題解決に向けて提案し、実行してみましょう。失敗を恐れず積極的に行動することを意識することで、主体性、働きかけ力、実行力は自然と磨かれていきます。
「考え抜く力(シンキング)」
「考え抜く力(シンキング)」は、物事に対して疑問を持ち、考え抜くことのできる力です。論理的な思考に加えて、自ら問題提起し、解決のためのシナリオを描く、自律的な思考力が求められています。以下が、考え抜く力を構成する3つの能力要素です。
- 課題発見力:現状を分析し目的や課題を明らかにする力
- 計画力:課題の解決に向けたプロセスを明らかにし準備する力
- 創造力:新しい価値を生み出す力
課題発見力
課題発見力とは問題点や改善点を的確に見つける能力です。注意深く観察し、変化や異変がないか気付くことでよりよい環境を作っていく力となります。また、課題を見つけることが新たな発想を生むことにもつながります。
計画力
計画力とは、目標を達成するために、最適な道筋を考え、それを実行するための段取りを整える能力のことです。具体的には、「いつまでに○○の状態にする。そのためにいつまでに○○をする。」というように目標に対してタスクを細かく分け、それに対して期間を決めます。このように計画を行うことで目標達成に必要なタスクや手順が明確になり、より効率的に業務を行うことができます。
創造力
創造力とは、新しいアイデアを生み出す力です。創造力を高めるには、日頃からさまざまな情報に触れ、自身の経験や課題と組み合わせ、新しい発想を生み出す訓練をしましょう。そして、ブレインストーミング※などの手法を活用し、アイデアを自由に出し合う環境を作ることも有効です。
※自由に意見を出し合い、新しい発想や解決策を見つけるための会議の方法
考え抜く力を養うためには日々の業務を振り返り、改善できる点がないか常に意識することが大切です。また、目標を設定したら、達成のための具体的な計画を立て、スケジュール管理を徹底しましょう。計画通りに進まない場合は、柔軟に修正しながら進めていくことも重要です。さまざまなツールを活用し、効率的な計画を立て実行を目指しましょう。
「チームで働く力(チームワーク)」
「チームで働く力(チームワーク)」は、多様な人々とともに、目標に向けて協力する力です。個人だけでは生み出せない成果を上げるためには、チームメンバー間の連携と協調が重要になります。ここでは、チームワークを強化するための具体的な方法を63つの観点から解説します。
- 発信力:自分の意見を分かりやすく伝える力
- 傾聴力:相手の意見を丁寧に聴く力
- 柔軟性:意見の違いや立場の違いを理解する力
- 情況把握力:自分と周囲の人々や物事との関係性を理解する力
- 規律性:社会のルールや人との約束を守る力
- ストレスコントロール力:ストレスの発生源に対応する力
発信力
発信力とは、自分の考えやアイデアをわかりやすく相手に伝える力です。わかりやすく伝えるためには、相手の立場になるとともに、論理的に発信することを心がけます。そして、余裕が出てきたら表情や話し方など言葉以外の部分を工夫していきましょう。発信力は、実践することが上達の近道です。積極的に発信することを心がけましょう。
傾聴力
傾聴力は、相手の話をじっくりと聞き、理解しようとする姿勢です。相手の言葉だけでなく、表情や態度にも注意を払い、真意を理解することが大切です。そのためには、質問力も重要です。的確な質問をすることで、より深い理解を得ることができます。そして、相手との信頼関係を築くことができます。日頃から相手の話を注意深く聞き、共感する姿勢を持つように心がけましょう。
こちらのコラムでは傾聴力をより深めたアサーションスキルについて解説しております。↓
「アサーションとは?意味・効果・メリットをわかりやすく解説」
柔軟性
柔軟性とは、変化する状況に適応し、新しい考え方や異なる意見を柔軟に取り入れる能力です。固定観念や不確かな情報にとらわれず、多様な視点から物事を考えることが重要です。そのためには、異なる文化や価値観に触れ、自分との違いを見つけ認める機会を増やすことが有効です。また、他者の意見を積極的に聞き入れ、自身の考えを修正する能力も必要です。
情況把握力
情況把握力は、全体の状況を的確に把握し適切な行動をとる能力です。そのためには、観察力と情報収集力が不可欠です。また、状況を分析し、何が問題なのか、何が重要なのかを見極める力も必要です。情況把握力を高めるためには、他者理解とともに自己理解も必要となってきます。自己と他者の違いを意識することで、それぞれの長所・短所を補うような適切な行動ができます。常にアンテナを張り巡らし、客観的に状況を判断しタスクに優先順位をつける習慣を身につけることが大切です。
規律性
規律性とは、社会のルールや人との約束を守る力です。規律性がある人は、どのような状況下でも自己をコントロールできる印象を与え、他者からの信頼を得やすいです。チームにおいては安定した人間関係が築かれ、スムーズな連携が可能になります。
規律性を高めるためには、普段から時間管理や自己管理することを意識し、自身の行動や役割に責任感を持つことが大切です。
ストレスコントロール力
ストレスコントロール力とは、ストレスの発生源に対して適切に対処できる力です。適切な対処をするためには、抱えている問題について詳しく理解をする必要があります。環境、人間関係、考え方など考えられる要因をあげ、改善点を探していきましょう。ストレスに適切に対処することで、物事に集中して取り組むことができ、チームのメンバーとも良好な関係で目標に向かうことができます。
こちらのコラムではストレスの対処法について詳しく解説しています。↓
「ストレスに負けないための効果的な対処法|具体的な方法とタイプをご紹介」
これらの要素を意識し、日々の業務の中で実践することで、あなたのチームワークは着実に向上し、仕事への満足度も高まるでしょう。チームメンバーと協力し、互いに高め合うことで、大きな成果を達成できます。
社会人基礎力を効果的に学び直すための学習計画

社会人基礎力の向上は、キャリアアップに欠かせません。しかし、どのように学習を進めれば効果的なのか迷う方も多いのではないでしょうか?この章では、社会人基礎力を効果的に学び直すための学習計画の立て方について解説します。計画的に学習を進めることで、モチベーションを維持し、着実にスキルアップできます。
1. 学習方法の選び方
まず、自身の学習スタイルや目標に合った学習方法を選びましょう。多様な学習方法の中から、自分に最適なものを選択することが重要です。たとえば、以下のような方法があります。
- オンライン学習: オンラインコースやアプリなどを活用することで、場所や時間に縛られずに学習できます。スキマ時間を有効活用したい方におすすめです。
- 書籍: 社会人基礎力に関する書籍は数多く出版されています。全体像をつかんでから学びたい方や、自分のペースでじっくり学習したい方におすすめです。
- 研修: 企業が提供する研修や、外部機関が主催する研修に参加することで、実践的なスキルを習得できます。他者との交流やフィードバックを得られることもメリットです。
- ワークショップ: グループワークを通して、実践的なスキルを学び、他者との協調性を高めることができます。実践的な学びを求める方におすすめです。
2. 学習時間確保
学習計画を立てただけでは、学習効果は上がりません。継続して学習時間を確保することも非常に重要です。時間を確保することは容易ではありませんが、毎日の生活の中に学習時間を組み込む工夫が必要です。
- スケジュール管理: 毎日のタスク管理ツールを活用し、学習時間を確保しましょう。毎日決まった時間に学習することで、習慣化しやすくなります。
- スキマ時間活用: 通勤時間や休憩時間など、スキマ時間を有効活用しましょう。スマートフォンアプリや電子書籍を活用することで、場所を選ばずに学習できます。
- 週末集中学習: 週末にまとまった時間を確保し、集中して学習することも効果的です。計画的に学習を進めることで、効率的に学習できます。
3. 学習内容の整理
学習内容を整理することで、学習効率が大幅に向上します。なんとなく学習するのではなく、目的意識を持って学習に取り組みましょう。そのためには、以下のような方法が有効です。
- 学習目標の設定: 具体的な学習目標を設定することで、モチベーションを維持しやすくなります。短期的な目標と長期的な目標を組み合わせることで、着実にスキルアップできます。
- 学習内容のアウトプット: 学習した内容をアウトプットすることで、理解度を確認することができます。ノートにまとめたり、人に説明したりすることで、知識が定着し、より理解度を高めることができます。
- 定期的な振り返り: 定期的に学習内容を振り返ることで、学習の進捗状況を確認し、必要に応じて計画を見直すことができます。柔軟に計画を変更し、効率的な学習方法を見つけていきましょう。
上記のすべてを行うことはとても難しいかもしれません。ですが、たとえば1日10分間だけ書籍を読んでみるなどの小さな目標は、習慣化への第一歩です。自身の状況に合わせた学習計画を立て、着実に社会人基礎力を高めていきましょう。
社会人基礎力向上のためのツールとリソース

社会人基礎力を効果的に高めるためには、適切なツールと教材をご紹介します。
おすすめ書籍
社会人基礎力をテーマにした書籍は数多く出版されています。自身のレベルや学びたい内容に合わせて、最適な一冊を選びましょう。入門書から専門書まで、幅広い選択肢があります。書籍を探す際には、向上させたいスキル別(コミュニケーションスキル、問題解決能力など)に特化した書籍や、社会人基礎力についてまとめられている書籍を探してみると良いでしょう。また書籍を選ぶ際には、目次やレビューをチェックし、自身の知りたい内容であることを確認することが大切です。
オンライン学習サイト
近年、オンライン学習サイトが急速に普及しています。場所や時間に縛られずに、自分のペースで学習を進められる点が大きなメリットです。動画講義やクイズ、演習問題など、多様な学習コンテンツが用意されているサイトも多く、飽きずに学習を続けられます。無料プランと有料プランが用意されているサイトも多いので、まずは無料プランから試してみるのも良いでしょう。
- Schoo(スクー)…幅広い分野の生放送授業を毎日開講しています。録画授業も8,500本以上あり月額980円で見放題です。Tech.neoではeラーニング教材として活用しており、ご自身に合ったカリキュラムを設計し提供しております。
- Udemy…アメリカ発祥の世界最大級のオンライン学習サイトです。講座ごとの買い切り型です。世界中の講師の中から講座を選ぶことができます。
- 企業が提供するオンライン学習システムを活用できる場合もあります。社内研修制度などを確認してみましょう。
研修プログラム
実践的なスキル習得を目指すなら、研修プログラムへの参加も有効です。グループワークやロールプレイングなどを通して、実践的なスキルを身につけることができます。費用はかかりますが、理論と実践を結び付けた学習と講師からのフィードバックが得られるため、効率的なスキルアップが期待できます。研修プログラムを選ぶ際には、カリキュラム内容や講師の経験、受講生の口コミなどを参考に、慎重に検討しましょう。
- 例:ビジネススクール、専門学校、企業研修、社内研修制度 等
これらのツールや教材を効果的に活用することで、自身のペースで着実に社会人基礎力を高め、キャリアアップにつなげることが可能になります。まずは、自身の学習スタイルや目標を明確化し、最適なツールや教材を選んで学習を始めましょう。
まとめ
社会人基礎力について解説いたしましたが、いかがだったでしょうか。ここ数十年でAIやロボットの進化によって、機械にはできないような能力が求められるようになってきています。このように時代の変化が激しい今、どのような環境でも通用する「社会人基礎力」を高めることが重要です。こちらでご紹介した3つの能力、12の要素を理解し、時代に応じて活躍し続けられる人材を目指しましょう。